
アメリカの人種差別抗議運動はハワイでも?講義の様子や被害は?
5月25日にミネソタ州ミネアポリスで起きた黒人男性の死亡事件を発端に、抗議運動が世界中で起こっています。
ニュースでご覧になった方もいると思いますが、抗議デモが一部暴徒化して略奪行為が行われていました。
そんな中、亡くなられたフライドさんの弟さんが、デモを平和的に行うよう呼びかける一幕もありました。
「Black Lives Matter/ブラック ライヴズ マター」
デモで叫ばれている「ブラック ライヴズ マター」は「黒人の命は大切だ、重要だ」というような意味で、2012年にフロリダ州で、何の非もない17歳の黒人少年が射殺された「トレイボン・マーティン事件」が起きて以来使われています。
この事件は黒人人権運動を巻き起こし、ドキュメンタリーにもなりました。
Rest in Power: The Trayvon Martin Story
暴徒による被害
カリフォルニア州オークランドにあるフラの教室も、暴徒化した人々に荒らされ損害を受けてしまいました。
著名なクム・フラ(フラの師匠)マーク・ケリィ・ホオマル氏のハラウ(教室)であるアカデミーオブハワイアンアーツ(AHA)です。
略奪者によってスタジオのガラスは破られ、高価なオーディオ類テレビ、いくつかのウクレレを含む楽器など、総額30,000ドル以上の損害を被ったようです。
もともとCOVID-19の影響も受けていた上に、抗議運動を隠れ蓑にしたこの事件が起きました。
写真を見る限り、私たちハワイ文化を知っているものにとってはとても価値のある、フラに大切なパフ(太鼓)は無害な様子ですね。
ハワイの抗議運動
抗議運動はハワイでも行われました。
5月30日にはオアフ島とマウイ島で抗議デモがあり、オアフ島ではワイキキからアラモアナ・ビーチパークへ向かい、またワイキキへと行進しました。
6月5日には1,000人以上の市民がデモ行進し、6月6日はオアフ島だけでなくカウアイ島やハワイ島でもデモ行進が行われました。
行進している横を通る車両も賛同のクラクションを鳴らすなど、賑やかではあったようですが平和裏に行われました。
とてもハワイっぽさを感じます。
肌の色で差別を受けた王族
19世紀半ば、医師でもありハワイ王国をサポートし続けたアメリカ人「グリッド・P・ジャッド氏」は、外交の旅の際カメハメハ4世、5世兄弟に同行しました。
この旅で王子二人は、イギリスで国賓として迎えられた後、アメリカでは肌の色によって人種差別を経験します。
そのため、二人はアメリカ嫌いになり、ハワイ王国はイギリス寄りになったと言われています。
差別の問題は根深くて、文化的歴史的背景のある非常にセンシティブな問題です。
世界中の人々が暮らしやすくなる世界が到来することを願います。