
【7月29日現在】ハワイ島の高山マウナロアと高まる噴火の可能性
ハワイ島でよく知られている山といえば、今も火山活動が続くキラウエア火山と、世界の天文台が設置されているマウナケア山。
しかし、ハワイ島にはもう一つ世界的な規模を誇るマウナロアという山があります。
今回は、このマウナロアと研究者が指摘する高まる噴火の可能性についてもお話しします。
世界最大の体積を誇る山
ハワイ島には日本の最高峰の富士山を越え、標高4,000メートルを超える高山がふたつあります。
一つは星空観測などで観光客に人気のある標高4,205メートルを誇るマウナケアです。
そしてもう一つがマウナケアの南にある「マウナロア」です。
ハワイ語で「長い山・広い山」の意味を持つマウナロアの標高は4,169メートルとマウナケアにわずかに及びません。
しかしその名前が表すようにハワイ島の面積の約半分を占める広大な面積を持っています。
実はこのマウナロア、体積は日本の富士山(およそ1,400K㎡)の約50倍、なんと75,000 K㎡ほどあり、世界で最も体積が大きな山でもあるのです。
観光客になじみの無い山である理由はタフなトレイル
マウナケア山は山頂には世界11カ国、13基の天文台が設置されていることから、頂上まで車で行くことができます。
(※ただし、レンタカーは保険が適用されないため不可)
ところがマウナケア山は頂上まで道路がないため、頂上に行くには中腹3,399mにある気象観測所まで車で行き、往復8マイル(約12.8キロ)のトレイルを登らなければなりません。
しかもこのトレイルコースは勾配も急で道路もデコボコ、さらに空気も薄いとあってかなりの上級者向けコース。
往復で10時間以上かかることから、マウナロアは観光客にはあまりなじみのない山となっているのです。
穏やかに見えるマウナロアが大噴火の可能性!?
マウナロア山はハワイ島を形成する5つの火山のうちのひとつで、頂上には「モクアウェオウェオ」と呼ばれるカルデラがあります。
記録に残っている噴火では1843年に起こったものが最も古く、以来33度の噴火が記録に残されています。
なかでも1935年の噴火は規模が大きく、梺の町ヒロが溶岩流に脅かされるほどの規模となり、溶岩流の流れを変えるため6トンの爆弾を投下されましたが失敗に終わりました。
そして2021年6月、フロリダ州マイアミ大学の研究者がマウナロア山で大噴火の兆しがみられることを発表しました。
実は2年ほど前、地震と地盤の膨張が続いていることからマウナロア山の警戒レベルが「通常」から「勧告」に変更されていました。
研究者達は衛星や地上の全地球測位システムなど様々なデータを調べて今回の発表に至りました。
ハワイ火山観測所の地質学者フランク・トラスデル氏は「今すぐに噴火が起きるというわけではありませんが、噴火に備えた準備だけはしておくべきです」と警告しました。
最後にマウナロアが噴火した1984年には「噴火を見物したい」という理由からハワイ島便の航空券があっという間に売り切れてしまったそうです。
地球の生命を感じることができるハワイ島。
住民たちの暮らしが脅かされるような大きな噴火にならないことを祈ります。
マウナロア/Maunaloa
- 住所:
- Mt Maunaloa, Waimea